2014年8月13日は蒸し暑い典型的な夏の日だった。
フロリダ州セバスチャン・リバー高校に通うウィリアムさん(14歳)はこの日、シーズン前のサッカー合宿で練習に参加していた。
父親のショグラン氏は、まず初めに妻から、息子が練習中に熱中症で意識を失って倒れたという電話を受けた。2回目の電話は消防署からで、それによると息子の状態は「良くない」とのことだった。そして消防隊員からの3回目の電話で、息子が亡くなったことを知らされた。
ウィリアムさんの死から数カ月が経ち警察の報告が発表された後、家族は学校に対して不適切な措置と虚偽を理由に訴訟を起こすことを決めた。
現場のコーチや職員がEAP知識の訓練を受けていれば、より適切な措置が取られた可能性がある。
ウィリアム君の命は救われたかもしれない。
[USAトゥデイより抜粋]
その日の夕方、駅伝のメンバーを選ぶ選考会が校庭であった。明日香さん(小学6年生)は全力で1千メートルを走りきった直後に、倒れた。
教師らは呼吸があるなどと判断し、担架で保健室に運んだ。救急車が到着するまでの11分間、心臓マッサージなどの救命措置は行われなかった。学校には、心臓に電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)がおいてあったが、使われなかった。意識が戻らないまま、明日香さんは翌日の夜、家族が見守るなかで息を引き取った。
呼吸に見えたのは「死戦期呼吸」と呼ばれ、心肺停止後に起こる「あえぎ呼吸」だった可能性があるという。救急車を待たずにAEDなどの救命措置が行われていれば助かったかもしれないと、遺族は思っている。
[朝日新聞デジタル2018/01/31より抜粋]
なぜEAPが必要?
スポーツ現場における事故は、何の前ぶれもなく突然起こります。いつ事故が起きても良いように、事前に準備をしておくことで、迅速で適切な対応が可能になります。
EAP(緊急時対応計画)は、緊急事態に全ての人が迅速かつ適切にアクションを起こすための行動指針で、すべてのスポーツ活動やチーム、および運動施設やイベント運営で必要不可欠なものです。
* 安全なスポーツ環境を実現するために必要な3つのアクション(スポーツセーフティーアクション):
- 知る(人)
- 備える(物)
- 整える(体制)
安全に関する教育を受けた人がいること、緊急時の対応に必要な用具が備わっていること、人と物がスムーズに動くための体制を整えること。この3つが、スポーツが安全におこなわれる環境を実現するために極めて重要なアクションです。
緊急時にケガ人を1秒でも早く医療機関に搬送することが、現場にいる私たちが目指すゴールであり、EAPはそのゴールへの最短距離を示してくれます。
誰がEAPを学ぶべき?
ほとんどのスポーツ現場には、アスレティックトレーナーもドクターもついていません。練習または競技会場にトレーナーや医療専門家がいない場合、ケガや事故への対応は、指導者や選手などそこにいる人たちで行わなければなりません。事故が起こってから、AEDを探し始めたり、誰が救急車を呼ぶかを決めているようであれば、時間はいくらあっても足りません。現場に関わる全ての人たちとEAPを共有し、実際の現場でシミュレーション訓練やリハーサルをやることで、いつでも全員が同じ認識のもとアクションを起こすことが可能になります。
指導者の場合
COACH・sports teacher
COACH.SPORTS TEACHER
Many high schools do not have the services of an athletic trainer. During practice or competition, athletes are often in need of first aid or other care when an athletic trainer or other healthcare professional is not physically present. In these situations, the head coach and other members of the coaching staff must have the basic knowledge and supplies on the sidelines to facilitate appropriate care for the athletes, commensurate with the coaches training (i.e., CPR/AED and first aid).
While not all injuries are preventable, a properly trained coach may effectively control or lessen the incidence or consequence of an injury through appropriate initial first aid and emergency care.
ほとんどのスポーツ現場には、アスレティックトレーナーもドクターもついていません。練習または競技会場にトレーナーや医療専門家がいない場合、ケガや事故への対応は、指導者や選手など、そこにいる人たちで行わなければなりません。事故が起こってからAEDを探し始めたり、誰が救急車を呼ぶかを決めているような時間はありません。
現場に関わる全ての人たちとEAPを共有し、実際の現場でシミュレーション訓練やリハーサルをすることで、いつでも全員が同じ認識のもとアクションを起こすことが可能になります。
少年団などでは、保護者の方が指導を行ったり、遠征の付き添いを行うことがあります。もし事故が起きたとしても、対応で目指すゴールは、迅速な医療機関への搬送です。特別な知識や技術が無くとも、事前の準備(EAP)があれば対応は十分可能です。
保護者の場合
少年団などでは、保護者の方が指導を行ったり、遠征の付き添いを行うことがあります。事故が起きたとしても、その緊急対応で目指すゴールは、迅速な医療機関への搬送です。特別な知識や技術が無くとも、事前の準備(EAP)があれば対応は十分可能です。
スポーツ施設管理者やイベント運営者は、その利用者や参加者が安心てスポーツを行うために、安全管理体制を整えておく必要があります。EAPを作成・提示することは、事故を予測し、回避するためにも重要なアクションとなります。
すべてのEAPは、予期しない出来事に対し最善の対応ができるよう、その可能性を最大化する目的で作成されます。チームの選手やアスリートたちがEAPの手順を明確に把握していれば、緊急時の状況に対応するのに役立ちます。
施設管理者/イベント運営者の場合
TEAM member
While every EAP is developed for the purpose of maximizing the potential for successful management of an unexpected event, players/athletes involved can help to manage the situation if the steps of the EAP are clearly communicated.
スポーツ施設管理者やイベント運営者は、その利用者や参加者が安心してスポーツを行えるよう、安全管理体制を整えておく必要があります。EAPを作成・提示することは、事故を予測し、回避するための重要なアクションです。
EAPは、予期しない出来事に対し最善の対応ができるよう、その可能性を最大化する目的で作成されます。施設管理者やイベント運営者がEAPの手順を明確に把握していれば、緊急時の対応が大幅にスピードアップします。
どのように習得できる?
スポーツセーフティーの教育プログラムから実際のEAPの作成方法まで、私たちは皆さんが適切なEAPを作成するだけでなく、現場での緊急事態への対処方法や知識を習得できるようお手伝いします。
お問い合わせ
EAP研修・SSライセンスプログラム
NPO法人
スポーツセーフティージャパン
Eメール: info@sports-safety.com
電話番号: 03-6804-2109
〒151−0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷
1-11-12-B1F-B